「オメガ スピードマスターPRO」impression水中操作編

「水中でクロノグラフの操作をしてはいけません」とよく聞きますが、本当かな?と思ったことありませんか。
とういうことで、実験してみました。
先ずは、1年間酷使してきた我が愛機の現在の防水性がどうなのかを確認しました。
(注意! 決してマネをしないで下さい!! どうなっても責任は取りません!!!)


例によって10気圧の気圧をかけてチェック。


竜頭・プッシュボタンから気泡が出てきますが、ブクブクと連続的に発生しないので問題ありません。


お店の裏の駐車場(お越しの際はご利用下さい)でバケツの中で実験スタート。


プッシュボタン・リセットボタン共に延々と100回押しました。


ドライヤーにて過熱を行い、ケース内に水分が浸入していたら風防が曇りますが、今回の実験では全然曇らず。
問題なし。


その後、機械を取り出し目視でチェック。
漏水の形跡なし。


ボタンを留めているネジを外し確認するも漏水の形跡なし。


ボタンの内側には水滴が・・・。
しかし、ここがいくら濡れてもケース内に漏水する訳ではないのでやはり問題なし。


続いてチューブ内を確認。
水滴なし。


さすがにチューブの縁には水滴が確認されましたが、プッシュボタンと同じ理屈で問題なし。
な~んだ。水中でクロノグラフの操作をしても問題ないじゃん!
それじゃ、ゼンマイを巻いたり針合わせをしたらどうなるんだろう・・・。
ということで、やってみました!


先ずは30時間ほど巻いていなかったゼンマイを勢いよく巻きました。


続いてこりゃ絶対漏水するなと思いながら竜頭を引っ張りぐるぐると針を回します。
かなり不安・・・。
またまたドライヤーにて過熱。おかしい・・・。全然曇らない・・・。


早速、裏ブタを外しましたが漏水の気配が・・・なさそうです!
裏ブタの縁には水滴が付いているのが確認できますでしょうか?


竜頭、チューブ共に水滴は付着していましたが・・・、


ケース内部には漏水の形跡がありません。驚きです・・・。


拡大してもやっぱり形跡なし。




今回の実験で、水中でクロノグラフ・竜頭の操作をしてもパッキンさえシッカリしていれば問題ないという結果となり正直驚きました。
おそらく水圧がほとんど掛からないバケツの中で、しかも短時間で1回のみの実験だったからだと推測されますが、スピードマスター・プロフェッショナルのケースの優秀性を示す一例になったのではないでしょうか。
プッシュボタンのチューブには二重のパッキン、竜頭には太くごっついパッキンがそれぞれ組み込まれており、
更に裏ブタのパッキンはダイバーズウォッチ同様の厚みのあるパッキンを使用。
尚且つ風防はプラスチックで、細心の注意を払って均等に圧を加えて入れないと風防のコバが割れてしまうほどシッカリと圧入されています。
機械を水から守るケースの作りはオーバースペックなほど頑健でした。
多くのスピードマスター・プロフェッショナルのOHをさせて頂きましたが、漏水によってのダメージが極端に少ないのはこの優れたケースのお陰だったのです。いやはや、大したもんです・・・。
ただし、この性能を維持できるのはゴムとプラスチックの弾力性のお陰です。
経年変化でこの弾力性は確実に損なわれていきます。
出来ればOHの時にはこれらのパーツを交換することをお薦めいたします。
しかし、竜頭のパッキン交換のみは出来ず、プッシャーの純正パッキン単体はないので、そっくり交換になってしまうんですが・・・。

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