「オメガ スピードマスターPRO」impression冷凍編

スピードマスターは寒さに強いのか?この疑問に答えを出すため凍らせてみました!

 

器にスピードマスターを入れ、水を注ぎます。


 

7時間ほど冷凍庫で凍らせます。




凍った状態でデジタル歩度測定器で測定してみましたが測定不可能でした。
アナログ歩度測定器ではかろうじて測定可能です。


  

測定結果です。
微妙な音を拾っているのであまり測定精度は期待できませんが少々進み気味の結果です。




それでは時計を取り出します。


 

ハンマーで氷を割っていきます。「コンコンコン」と宝石か化石の発掘の様です。


 

徐々に姿を現してきました。先ずはブレスから取り出します。


 

続いて時計本体を取り出します。おおっと!シッカリと時を刻んでいます。




全体を取り出しました。氷が付着していることで怪しい雰囲気を醸し出しています。




取り出してすぐの冷えた状態で歩度測定をします。




ドライヤーを使い急速乾燥・温めを行います。
プラスチック風防は熱に弱いので細心の注意が必要です。
時計が十分温まったら歩度を測定します。

    

ダイジェスト動画

歩度測定器での測定結果は以下の通りです。

冷凍直前(全巻)
DU 約±20s/d
12U 約+30s/d
3U 約+30s/d
6U 約+30s/d
9U 約+25s/d


解凍直後(全巻)
DU 約+50s/d
12U 約+50s/d
3U 約+60s/d
6U 約+ 50s/d
9U 約+50s/d


乾燥直後
DU 約+25s/d
12U 約+25s/d
3U 約+30s/d
6U 約+30s/d
9U 約+20s/d


以上のような結果となりました。
振り角は冷凍前には約300°でしたが、解凍直後は約230°に下がり、温風にて乾燥後は再度約300°まで上昇しました。
さて、ご覧のように解凍後は歩度がかなり進みました。これは低温のためヒゲゼンマイが収縮し、
その結果、日差がかなりプラスになったためだと推測されます。
また、振り角が落ちたのは、油が低温で固くなったためだと思います。
「それじゃ、寒い所ではスピマスはこんなに進んで調子が悪くなるのか?」と思われたあなた。そんな心配は無用です。
通常、寒冷地でご使用になる場合でも時計は直接地肌に着けていますし、室内もおそらく暖かいかと思いますので、
ここまで極端な誤差は出ないと考えております。お外で保管される場合は除きますが・・・。
機械式時計は冬場には進み気味になると言われていますが全くその通りでした。
まあ、実際はここまで極端にはならないと思いますが、程度の差こそあれ歩度は温度で確実に影響されます。
人間も冬場は寒くてセカセカし、夏場は暑くてダラダラしますので、歩度の進み遅れも丁度いいと言えば丁度いいのかも・・・?
かなり無理やりなこじつけでした(笑)。

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