「フレデリック・コンスタント」impression修理・カスタム編
前回、「竜頭・巻き芯が抜けてしまう」トラブルがでました。
原因確認も兼ねてオーバーホールを行います。
原因を調べてみましたら竜頭押えがズレていたので竜頭周りを分解して調整をしました。 竜頭は抜けなくなりましたが手巻きを行うとローターも一緒に回ってしまう「突きまわり」を起こしていました。 「突きまわり」は切り替え車の不良が考えられますので修理の為オーバーホールを行いました。 先ずは分解して部品の破損等を調べましたが破損はなく特に部品交換は必要ありません。 ムーブメントは細部まで細工仕上げ等はされていませんがしっかりメッキ加工がされています。 部品1つ1つをベンジンで洗浄し組み立て注油していきます。 組み立てを行いながら調整をしていき最終的にケースに入れ歩度調整をします。 多くはありませんが、裸のムーブメントの歩度とケースに入った状態のムーブメントで歩度が変わることがあります。 機械押え等からプレッシャーが掛かり違いが出る物と思われます。 ケース・ブレスの傷もルーター等を使い目立たなくします。 さすがに大きく深い傷・へこみは消すことが出来ませんが光の当たり具合などを考え仕上げていくと結構目立たなくなりました。 【仕上げ前】 【仕上げ後】 【ブレス】 やはり良く見ると傷を確認できますが少し離れたところから見るとそれほど目立ちません。 ケースは鏡面仕上げ・ブレスはヘアーライン仕上げと2種類の仕上げ方での傷修正をしましたが やはりヘアーライン仕上げの方が傷を目立たないようにはしやすいですね! そして時計を地面に転がしたのでケースの変形等が考えられますので防水機能に変化が無いか調べます。 スペック通り「6気圧」での検査をしました。 さすがというべきか「6気圧防水検査」OKでした OH・ケース仕上げ・防水検査と行ない最後に手を加えていない場所「文字板」に手を加えようと思いました!! 時計の顔の文字板を少し変えるとどのぐらい印象が変わるかの実験です。 穴を空けたり、何かほかの機能(カレンダー・パワーリザーブ等)をつけ加えるとうは私には技術的に不可能ですので 私にも出来る「色を塗ってみる!!」をチャレンジです。 まず、塗り替えるところを決めます。 文字板を塗り替えるのは今回が初めてですので(普通はやりません!!)(^^; 簡単そうなインデックスを塗り替えることにしました。 単色ではつまらないのでエンジ色とオレンジ色で塗ることにしました。 プラカラーを使い筆で塗りました。 さすがにはみ出したところも有りますが比較的綺麗に塗れたと思います。 【オリジナル】 【塗り替え後】 見てください!! 純正の灰色より某ブランドLVみたいな配色で少し明るくなって「結構良いんじゃないの?!」って感じです!!(^^) これで作業は完了です。 HO後の精度は 平起き 12時 3時 6時 9時 -2秒 +2秒 +3秒 -4秒 -6秒 です。 今回は機械のOH、ケース磨きと余計な文字板塗り替え(^^;を行いました。 やはり時計を落としたりすると傷だけではなく機械内部にもダメージが起こることが分かりました。 |