「フレデリック・コンスタント」impression防水機能 後半編

防水後半編はちょっと過激にいきたいと思います。
どこかの宣伝文句ではないのですが、メガネと同じく「時計は身体の一部」で、何時でも何処でも時計をつけている方もいらっしゃると思います。
防水機能は時計を使用するにあたって重要な機能の一つ、という事で「時計をつけてサウナに入っても大丈夫なのか?」を検証していきます。

今回は残念ながら時間が取れず、サウナには行けなかったので、代わりに鍋で蒸してみたいと思います。


まず、時計を蒸していきます。
蒸す時間は5分間、蒸している最中はふたを閉めました。
結果は蒸した直後に水分が入った形跡はありませんでした。


その後、水で強制冷却してみます。


強制冷却前は、ケース内に水分が侵入した形跡はありませんでしたが、冷却直後にガラス内側がうっすらと曇ってしまいました。
これは急に冷やした事による結露と思われ、内側が曇ったという事は、時計内部に少量でも水分が入っている事になります。
実験結果から、高温の水蒸気中と同じような状況になるサウナは、時計にとって特殊な環境であり、防水機能が低下する可能性があることが分かりました。

実験後、防水機能確認の為、防水検査をしました。。
結果はOK!
漏水箇所は認められませんでしたが、結露をしたので裏ブタを開けて乾かすことにしました。
機械は錆びた箇所も無いので、今回は特にOHをせずに様子を見ることにします。
裏蓋を開けたので、緩急針で歩度を調整を行い、日差+5~+8秒に合わせました。
半日乾かしたところで裏ブタをしっかり閉め、今一度防水検査をしましたが、問題は有りませんでした。
このまま1日使い、実測で日差を調べることに。
日差は+6秒、このレベルの日差なら大満足です。


続きまして。
皆さん、洋服などのポケットに時計を入れたまま洗濯をしてしまい、壊してしまった経験はありませんか?
日常で起りそうなシチュエーション、「時計を洗濯機で洗ってしまう」実験を行います。
洗濯時間は「洗い・濯ぎ・脱水」でトータル25分ほどです。!
時計を洗濯している時には洗濯機から「ガラガラ」と時計が転がる音が鳴っていました。
洗濯が終わり、時計を見てみると水が入ったようには見えません。
(この後、時計に水が入っていた事が分かったのですが・・・)
しかし、ブレスレットには異変が!観音開きの中留めの片方が閉まらなくなってしまいました。
この時、裏透けの裏ブタが曇っていたことに気付き、急いで裏ブタを開けて乾かすことに。
機械押さえのスペーサー部分に水滴がついていましたが、機械本体には特に水分はついていませんでした。
ブレスレット中留部は若干の歪みが出ていたので修正し、しっかりと閉まるように修理を行いました。
実験の結果、洗濯機は水流や脱水時の遠心力等でかなりの水圧がかかるようです。
また、竜頭や操作ボタンが衣類に引っかかったり、押されたりして水が入る可能性や、部品が変形してしまう恐れがある事が確認できました。

今回行た2つの実験では水入りやブレスが壊れていまったりと修理が必要な状態になってしまいました。
防水検査器でのチェックでは10気圧までは大丈夫なのに、今回のテストでは水入りが2度認められたので
普段の生活の中でも防水機能は10気圧を超えてしまうことがあると分かりました。
最初の防水検査で10気圧が大丈夫だったので、完全防水感覚で使っていましたが、
防水機能の過信は要注意と痛感しました。
時計の大部分は金属で作られているので、水は大敵ですね!!

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