「フレデリック・コンスタント」impression磁気帯び編
磁気についてインプレッションします。
修理でお客様の時計を扱っていると最近よく磁気帯した時計を多く見かけます。
時計はどのようにして磁気を帯びてしまうのか? 磁気はどのような影響を及ぼすのか?
少々ありえない事もしながら検証していきたいと思います。
ずは小手調べと言う事でTVの上に置いてみました。 19時に電波クロックで時間を合わせ磁気チェック!! 磁気帯なし。 (磁気チェックには方位磁針(コンパス)を使用。 時計を近づけて方位磁石が動けば磁気帯をしているということになります。) この日は帰宅が遅くなり、時計をTVの上に置いていた時間は2時間30分ほどでした。 次の日このまま普通に1日使い、19時頃 磁気・歩度・日差を調べました。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +9秒 +14秒 +8秒 +12秒 +14秒 ( 6時方向UP時に若干の片振り有り。) ・日差+17秒 ・磁気帯なし テレビはスピーカに磁石を使っている為テレビの上に時計を置くと磁気帯すると思っていたが、「そんなにすぐに磁気帯はしないのかな?」という感想です。 ただ、時計の種類や環境によって違いがあると思いますが・・・ 普段何気なくしていると思われる「携帯電話と一緒に置く」という実験をしてみます。 いつもと同様、19時に電波クロックにて時間合せ。 磁気抜きですが、前回の実験で磁気を帯びて居なかった為行いませんでした。 自宅に帰り、時計を携帯電話に巻きつけ机の上に置く。 こんな風に携帯の隣に時計を置いている人って結構多いのでは? 朝7時ぐらいまで携帯に巻きつけたままテストを行ってみた。 テスト中、「電話」2件・メール2件を受信。 起床後は通常通りに1日使用し19時に歩度測定、磁気検査。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +22秒 +17秒 +20秒 +18秒 +25秒 ・日差+25秒 ・磁気帯若干あり 今回のテストでは「携帯電話の傍に置くと磁気帯をする」という結果が出ました。 1日しか一緒に置いてなかった為若干の磁気帯で精度にもあまり影響が出なかったのですが、これを毎日続けると磁気帯も強くなり、精度にも影響が出ると思われます。 皆さん 気をつけましょう! 実験を始める前にまず磁気抜きをしてから実験開始。 今回は一晩中、パソコン本体の上に置いてみます。 パソコンはデスクトップ型のパソコンを使用。 電源OFFの状態のパソコンの上に置いても良かったのだが、今回は電源ON でベンチマークソフトを動かして実験してみました。 置いていた時間は6時間程度。 翌日、いつもと同じように1日普通に使い、19時に計測。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +13秒 +17秒 +13秒 +18秒 +22秒 ・日差+14秒 ・磁気帯若干有り 今回はパソコンを動かしている状態で長時間置いていた為「若干磁気帯をしたのかな?」と思います。 仕事などでパソコンを使う時時計をパソコン本体の上や近くに置くと磁気帯する危険性が有ると言えます。 最近では仕事や趣味でパソコンを長時間使う人がとても多いので知らず知らずの間に時計が磁気帯をしてしまう事が多いのでしょう。 今回はあまりありえない状況に置いてみました。 永久磁石(今回はスピーカーから取った強力な磁石)を使い、その上に時計を一晩置いてみます。 テスト前に磁気抜きを実施。 まず磁石の上に時計を置いてみるとテンプがヨタヨタと鈍い動きになり、時計が止まってしまい・・・ 少し(1秒ぐらい)するとまたヨタヨタと動き出す。 このまま一晩(6時間くらい)置いてみる。 起床し、時計をチェック。 正確な時間は朝7時のはずなのに何故か時計は9時30分頃を指している。 その状態で1分間様子を見てみると1分間を45秒ぐらいで回っている!! 要はメチャクチャ進んでいることになる。 時間合わせはせずに19時頃 磁気・歩度・日差を調べました。 ・ウィッチにて歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +54秒 +55秒 +45秒 +60秒 +68秒 ・日差+3時間33秒 ・磁気帯あり 脅威の日差になってしまいました。 びっくりです!! 永久磁石ではさすがに磁気が強力過ぎたか・・・ 磁気抜きをして今一度ウィッチにて歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +20秒 +20秒 +15秒 +20秒 +23秒 磁気抜きしてみると磁気帯する前と同じぐらいの精度になる。 強い磁気帯をした時計を磁気抜きをした後、精度に影響がどれぐらい残ってるのかを調べる為に1日普通に使用して精度等を測定してみました。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +19秒 +18秒 +16秒 +22秒 +23秒 ・日差+17秒 ・磁気帯なし すべての測定位置で片振り有り。 歩度、日差には前日の磁気の影響が無いようだが片振りが出るのでひげゼンマイあたりに影響が残っているのでは?と推測する。 では、続いて磁気抜き器にて強制的に磁気帯させてみてテストをしました。 磁気帯びさせて普段どおり1日使用。 磁気抜き機を使用しての磁気帯させた場合通常ではありえない磁気の強さです。 時計で砂鉄が採取できそうなぐらいかな?! 1日使い、19時に測定。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +111秒 +120秒 +212秒 +115秒 +120秒 ・日差+111秒 ・磁気帯あり 片振りはすべての位置で若干あり。 磁気抜きをして、再度歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +20秒 +18秒 +14秒 +24秒 +25秒 ・磁気なし ・片振りなし 今回は片振りが今のところ出ていないので磁気がきちんと抜けたのだと思います。 磁気抜き器で強制的に強力な磁気帯をさせたのでその後の影響を調べる為に磁気はきとんと抜いた状態で1日使用し精度を測ってみた。 ・歩度測定 ダイヤルUP 12時UP 3時UP 6時UP 9時UP +20秒 +17秒 +13秒 +23秒 +26秒 ・日差+133秒 ・磁気帯なし ・片振り無し 結果、日差+133秒にはビックリしました。 磁気は抜けているが、細かい部品(テンプ周り)に若干磁気帯した影響が残っていて「精度に影響を及ぼしているのかな?」思います。 ●磁気帯実験を終えた感想 今回の磁気帯実験は結構身近にある時計の不調原因になりうる事だったのでどのような結果が出るか楽しみでした。 やはり家電、特に永久磁石を使っている製品は「要注意」という結論に至りました。 磁石の上に置いたテストで日差+3時間33秒には本当に驚きました。 磁気帯は目で見て分かるものではないですが「なんか最近時間が合わないな!!」と感じたら磁気を疑っても良いと思います。 ●磁気帯の確認方法 方位磁針(コンパス)に時計を近づけ、強制的に方位磁石の針が動けば磁気帯していることになります。 磁気抜きの方法ですが鉄は高温(何百度)になると磁気は抜けますが時計を何百度にも出来ません(^^;ので磁気抜き機で抜いてください。 当店では無料にて承っております。 |